沢田八幡神社の鳩紋・追入神社の桐紋
八幡神社は武神として武家の崇敬を集め、その神使は「鳩」である。八幡さんの神紋「鳩紋」はそれによったもので、八幡の「八」の字を 鳩が向き合う絵文字のように書く例も多い。鳩は平和のシンボルとされるが、わが国では 八幡神の軍使として武のシンボルであったことになる。


小野原住吉神社の橘紋・本荘住吉神社の藤紋
今田には住吉神社が多いが、小野原荘の氏神としてに摂津の住吉大社から分霊され広まったものである。住吉大社の神紋は「花菱」として 知られるが、小野原住吉神社は八幡宮にちなむ「巴」と「橘」、本荘の住吉神社は春日神社を合祀したことで「藤」をそれぞれ神紋としている。 長い歴史のなかで神社の存在意義が変化したことを示す一つの傍証といえよう。


曽地中八幡神社の笹竜胆紋
篠山各地には、沢田・大沢・西谷・曽地中などに八幡神社が鎮座している。おりから厄神祭が催されていた曽地中の八幡神社を訪ねると、 本殿の幔幕の紋は「笹竜胆」、提灯には「下り藤」、そして、社務所の幕には「対い鳩」と多彩な紋が据えられていた。 対い鳩は八幡神社の代表的な神紋だが、笹竜胆は八幡神社を氏神とした清和源氏に、下り藤は曽地の中世豪族内藤氏にちなんだものと思われるがいかがだろうか。