低山歩こう記-春日江


行者山に登る

・2010年05月02日


山上に祀られている行者堂

京都亀岡から姫路に通じるデカンショ街道を篠山方面に向かって走ると、右手北方に多紀連山が姿を見せる、その手前のアンテナが林立した山が衣笠山、その左手西方に見えるのが行者山で山頂には三等三角点がある。行者山の山上には行者堂が祀られており、山の名は行者堂からきたものという。往古、篠山を取り巻く山々は丹波修験の霊場として栄え、多紀連山の主峰三嶽にあった大岳寺をはじめとして多くの寺があったという。 行者山も丹波修験道とゆかりがあったところなのだろうが、残念ながらその確証はえていない。
行者山への登山ルートは春日江から奥県守に通じる峠を越える旧道、かつて衣笠山にあったという文楽寺の参道であったという東本荘からの道を登り行者山を目指す道がある。また衣笠山まではテレビ中継所に通じる林道があるが、山登りという点では面白みに欠けるコースであろう。 今回の登山は春日江より奥県守に通じる旧道を選択、春日江の熊按神社を起点として行者山を目指した。


泉方面より行者山を遠望 ・ 日本唯一の社名をもつ熊按神社 ・ のどかな春日江の里 ・ 道は明快 ・ 林道が続く ・ 林道の終点

道に椿の落花 ・ 昔のままの山道 ・ 植林地帯は薄暗い ・ 痛恨のミスを犯す ・ 植林地帯を登る ・ ついに尾根へ直登 




春日江から伸びる道は明確で、途中までは山仕事用であろう広い林道である。林道の途切れたのちも道は明確で、蛙の声、道に落ちた椿の花などを楽しみながら軽快な山歩きが続く。やがて、杉の植林地帯が広がってくると道は途切れ途切れとなり、本来の道を見誤って尾根を直登する破目に陥ってしまった。尾根に登りきると確かな道があらわれ、 そこからは所々より垣間見える眺望を楽しみつつ迷うことなく行者山にたどり着くことができた。
尾根道は明快 ・ 峠に到着 ・ 本来の登山道は人手の入った明確なものだった ・ 尾根道が続く ・ 行者山山上が見えた(右端)


・歩こう - 参考マップ

・地図:地図閲覧サービス(ウォッちず)の二万五千分の一地図をベースに作成。  




行者山山頂の一段低くなった削平地に行者堂が鎮座し、大峯山のお札が祀ってある。やはり、丹波修験道と関わりのあるもののようだ。頂上にはキレイな三等三角点が立っているが、周囲はいまが盛りのツツジなどの樹木に覆われて眺望はほとんど利かない。思い切り背伸びをして、わずかな隙間より北に八ヶ尾山、西に三嶽が見えるばかりであった。無責任な発言と怒られるかも知れないが、 少し樹木を切り払えば見事な眺望が広がり、行者山登山がモット楽しいものになることは間違いないのだが…。
頂上の三等三角点 ・ わずかに三嶽が見える ・ 下りの道、分かりやすい ・ 山麓の泉方面を見る ・ 若葉が爽やか ・ 滑りやすい急坂もある 



明快な山道が続く ・ 高城山八上城址を見る ・ どんどん下る ・ お馴染みの獣除柵 ・ 春日江に下山 ・ 蒲公英の綿毛



下山は行者堂から南の尾根に向かって伸びる山道をたどった。まことに明快な道で、途中から篠山方面、高城八上山などを見つつ迷うことなく春日江に下りつくことができた。あとで調べると行者堂への参道であった。こちらのコースなら迷うことなく登れただろうが、 獣除柵の一部より取り付く地点に道標がないため、うまく参道に入れたかどうか…が気にかかった。
今回の行者山登りは一部で迷走したものの、まず迷うところはなかった。時間があれば、行者山から衣笠山を目指し、さらにその先の尾根上にある荒木氏が築いたという戦国山城を訪ね、丹波禅宗の古刹洞光寺へ下るという山歩きもある。途中、読図が必要となるが、秋の紅葉シーズンにお奨めのコースである。 また、山歩きの猛者の場合、行者山から遠く小金ヶ嶽→三嶽を目指すというのも面白いかもしれない。
【登山メモ】 熊按神社スタート:1030 →登り口:1042 →林道終点:1056 →分岐:1105 →尾根へ:1126 →峠:1143  →行者山:1200(休憩40分) →下山開始:1240 →獣除柵:1305 →熊按神社帰着:1313