低山歩こう記-古森


海見山に登る

・2010年04月28日


虚空蔵岳より遠く海見山を遠望(20100418)

JR福知山線の草野駅から東方を見ると、まるで屏風のように聳えている山が海見山である。山上には三等三角点があり、篠山市と三田市の市境をなす山でもある。海見山へは古森の集落を抜け、舞鶴自動車道の高架をくぐり、小さな祠の傍らに車を停める。そこから広い林道を歩いていくと、 テープと木片が目印となった海見山に通じる山道の分岐があらわれる。
山道はかつて人の往来があったことを偲ばせる深く削られたもので、一部には石垣を積んだのでは?と思わせるところもある。山道をジグザグに登っていくと、海見山北側の鞍部へとたどり着く。側溝の上に丸太橋が架けられ、海見山への登り、柏野山への登り、等高線沿いの山道との三叉路となっている。いずれの道も明快で、 思っていた以上に分かりやすい山歩きとなりそうに思われるところであった。


海見山へ ・登り口の祠 ・若葉萌える林道 ・海見山への分岐 ・道は明確 ・岩場もある



十字路から海見山に続く山道は細いが、テープもあり踏み址もシッカリしている。ひた登っていくと、なんなく三等三角点の埋まる山上に到着する。頂上は樹木が茂り眺望はまったくなく、 やっと、木々越しに松尾山、白髪岳の姿がチラッと見えるばかりである。
ひたすら登る ・鞍部が見えた ・鞍部の側溝に架かる丸太橋 ・海見山へ ・頂上へ ・松尾山/白髪岳をわずかに遠望




ふたたび十字路に降り立ち、つぎの目的地である柏野山を目指す。尾根道をたどって柏野山を目指すか、等高線沿いに続く明快な道を進むか迷った結果、等高線沿いの道を選ぶ。しばらく歩くと、側溝に水が溢れ、ついには小川状態になってしまった。さらに進むと、岩の上に赤い矢印を発見、安心して先に進むと崩落で行き止まりであった。痛いロスタイムであったが道を引き返し、改めて尾根道を登ると、ふたたび側溝付きのキレイな山道があらわれる。 こちらは先の側溝道より水量が豊富で、さらに薄い尾根道を登っていく。
キレイな三等三角点 ・先人の足跡 ・ふたたびび十字路 ・等高線沿いの道を選ぶ ・海見山を振り返る ・側溝にキレイな水


・歩こう - 参考マップ

・地図:地図閲覧サービス(ウォッちず)の二万五千分の一地図をベースに作成。


見事な炭小屋址 ・赤い→を過ぎる ・前方崩落 ・ギンリョウソウを発見 ・戻って尾根道へ ・またまた側溝が現れる





尾根を登りきると「裏山の池」に続く道との分岐があらわれ、池方向の道をたどる。しばらく歩くと池に到着、先の側溝の水はこの池から流れ落ちたもので、乾燥しているときならば池への最短路となるものであった。池で昼食をとったのち、荒れた尾根道を柏野山を目指す。テープを探しつつ柏野山にたどり着けたが、途中迷いやすいところも有り、 見通しの悪い尾根は二万五千分一地図を読むいい勉強となった。
尾根を登る ・裏山の池に到着 ・池から三田方面を遠望 ・柏野山へ ・柏野山頂上-展望はゼロ ・柏野山より下山



尾根を下る ・谷筋を下る ・林道に降り立つ ・登り口へひた下る ・祠へ帰着 ・草野方面より海見山を見る



柏野山からはキレイな道が続いていたが、途中の分岐で道を誤ったようで、谷筋を下る破目となった。ところどころに石垣らしきものもあり、やがて想定外の山道へと出た。しばらく歩くと広い林道に降り付き、 そこから登り口までは若葉の萌えたつ雑木林をひた下った。
途中で崩落に前途を閉ざされたが、そのまま進んでいれば柏野山に登りつくことはできなかったようだ。山腹に造成された側溝道は、そのまま水路として手入れもされ、生活に利用されているらしい(実際どのように活用されているのか確認はできなかったが・・・)。山に登ると溜池や谷筋の石垣、今回の側溝のような土木工事の跡、かつては人が往来したであろう山道など、山がムラの生活と密接に結びついていた名残が刻まれている。その一方で、崩れた炭焼き小屋の跡、途切れ途切れになった尾根道などが、 山とムラの結びつきが希薄になったことも実感させてくれるのだ。
【登山メモ】 スタート:1117 →分岐十字路:1124 丸太橋:1142 頂上:1158(休憩15分) →ふたたび十字路:1221  →赤い→の岩:1248 →崩落地:1254 →尾根道へ:1318 上の側溝:1325 →裏山の池:1352(昼食20分)  →柏野山到着:1433 →林道に降り立つ:1522 →祠に帰着:1541