低山歩こう記-宮田


鋸山に登る

・2010年04月26日


頂上よりヒカゲツツジ越しに三尾山を遠望

篠山市西紀町の北方に峨々たる山並みを見せる鋸山、文字通りノコギリの歯のごとき山容を見せ篠山市と丹波市の市境をなしている。以前、これも峨々たる山容の三尾山山上にある三尾山城を訪ね、篠山市小坂と丹波市春日町中山を結ぶ鏡峠を中山方面へと下った。鏡峠は三尾山から下ると左手が中山方面、右手が小坂方面、正面が鋸山方面へと分かれる十字路で、 いずれの山道も明快、立派な道標も立っている、まことにはっきりとした峠であった。
鋸山への登山道は西紀の高坂から東鏡峠を経て、鋸山に続く尾根を西走するのが一般的なようだが、今回は鋸山から南に伸びる尾根筋先端にある小坂城を経由するコースを選んだ。小坂に鎮座する明月神社後方にも小坂城の出曲輪があるといい、 それではと明月神社右手にある摂社より山に分け入った。


峠山を遠望 ・明月神社 ・明月神社裏山の曲輪址? ・小坂城址へ ・小坂城址の切岸と曲輪 ・堀切址



小坂城は主郭を中心に帯曲輪が取り巻き、切岸も明確で、北方尾根には堀切も切られている。小さいながらも、 よくまとまった縄張の城であった。小坂城からは、荒れ気味の尾根道をひたすら登り続けることになる。 アンテナ施設を過ぎ、左手に見え隠れする夏栗山をながめつつ、尾根をたどっていくと広い雑木林に出た。 右手には目指す鋸山が姿をあらわし、鋸山へと続く尾根へと登りついた。
尾根を登る ・針葉樹の林を抜ける ・赤いテープが所々に ・ツツジ越しに夏栗山 ・岩場の尾根 ・土橋状の尾根道 ・緩やかな雑木林の登り




鋸山への尾根道は明確だが、岩場が多く、鋸山の名にふさわしい険しさである。慎重に岩場をたどっていると、おりから開花シーズンをむかえたヒカゲツツジの黄色い花が満開である。岩と花、なかなか野趣に富んだ尾根を登りきると鋸山の頂上に到着である。山上からの展望は抜群で、東方に多紀連山の主峰三嶽・西ヶ嶽・小金ヶ嶽が連なり、北方は丹波市の山々、西方には三尾山・夏栗山と黒頭峰、南には篠山市街から松尾山、白髪岳が一大パノラマとして広がっている。 さらに頂上のまわりはヒカゲツツジが満開!最高のロケーションで昼食をとる。
鋸山を見る ・岩場の道 ・岩場の向うにヒカゲツツジ ・岩場が続く ・頂上手前の三角点 ・多紀連山を遠望 ・三尾山と春日の町


・歩こう - 参考マップ

・地図:地図閲覧サービス(ウォッちず)の二万五千分の一地図をベースに作成。  


鋸山を振り返る ・歯が並んだような岩場道 ・三尾山を見る ・松尾山/白髪岳を遠望 ・夏栗山/黒頭峰/三尾山を見る ・分岐の道標 ・穏かな山道



鏡峠に到着 ・佐仲方面に下る ・見事な大岩(鏡岩?) ・ひたすら下る ・佐仲ダムを見る ・佐仲登り口に下山 ・佐仲峠方面を見る




出会った─

シャクナゲ ・ヒカゲツツジ ・山椒の新芽 ・八重桜 ・野イチゴ ・黄色い花 ・シャガ


下山は鏡峠を目指して西走する。こちらも道は明快で、ところどころに道標も立てられていて、まず迷うことはない。おりから萌えはじめた若葉を楽しみながら、鏡峠に到着、以前のままキレイな峠である。道を佐仲ダム方面にとり、しばらく下ると明快だった道は荒れた沢となり、ついに道は途切れてしまった。引き返すこともならず、ままよと谷筋を下っていくと、ふたたび道があらわれホッと一安心。鏡峠の名のおこりとなった鏡岩を探しながら下っていったが、 鏡岩に出会うことなく佐仲ダム側の登り口に下りついた。
小坂の明月神社 →尾根の分岐 →鋸山 →鏡峠 →佐仲ダム →明月神社 と、いささか長丁場の山歩きとなったが、一部の荒れ道を除けば、まずまずの山あるきを楽しめた。今回はヒカゲツツジが満開という絶好の時期にあたったが、秋の紅葉シーズンも楽しめそうな風情の山である。 なによりも素晴らしいのは、鋸山山上からの眺望である。
【登山メモ】 明月神社スタート:1157 →小坂城址:1230 → 最初のアンテナ:1250 →二番目のアンテナ:1310(15分休憩)  →尾根分岐:1406 →鋸山:1422(20分休憩) →尾根分岐:1451 →展望岩:1503 →鏡峠:1536  →佐仲登り口:1609 → 明月神社:1656