低山歩こう記-藤岡奥


岩谷山に登る

・2009年12月20日



山腹の岩谷観音から篠山方面を見る

岩谷山は丹波修験道の山として知られる三岳(多紀連山)のうち西ヶ嶽より南西に伸びる尾根にあり、篠山市の北方に位置する 天台宗の古刹五台山東窟寺の後方に聳える山である。東窟寺は大化年間(645〜50)に法道仙人が開創したと伝えられ、山号の 「五台山」は岩谷山の中腹にある五つの大岩石に拠ったといわれる。かつて東窟寺は三岳修験道と共に栄え、盛時には四十九院七堂伽藍が 甍を誇っていたが、明智光秀の丹波攻めの兵火によってことごとく焼失してしまった。山腹にある岩谷(岩屋)観音へ通じる山道を 登っていくと、阿弥陀堂跡、薬師堂跡、般若心経塔、鐘楼跡など、かつての伽藍の跡が連なっている。
観音堂からは遠く篠山市街が遠望され、眼前には山号由来の大岩石が屹立している。お堂の背後にある大岩の洞窟内には、 微笑みを浮かべたようにみえる法道仙人像が祀られている。 観音堂の傍らに岩谷山への道標があり、薄い踏み跡が岩石群の間を 縫うように山上に続いている。道は途中で途切れてしまったが迷うことなく尾根へと到達、木の間越しに見え隠れする風景を眺めつつ、 三角点のある頂上までのどかな尾根歩きが楽しめるところだ。




東窟寺へ ・ 登り口のお地蔵様 ・ 不動の滝 ・ 古式然とした佇まいの参道 ・ 阿弥陀堂跡 ・ 般若心経堂跡の礎石





鐘楼址の平坦地 ・ 岩場の道を登る ・ 山号のもとになった大岩 ・ 岩谷観音の御堂 [2008-04/27] ・ 法道仙人窟



・歩こう - 参考マップ
参考マップ





登りの道標 ・ 急斜面を登る ・ 尾根より篠山市街を見る ・ いい感じの雑木林 ・ 山上の三等三角点





山上の道標 ・ 木の間から西ヶ嶽が見える ・ 登りと下りが続く ・ ポイントに道標 ・ 藤岡方面へと下る ・ 初夏の岩谷山を遠望 [2010-05/02]


【登山メモ】 東窟寺スタート:1140 → 岩屋観音:1230 → 頂上三角点:1310 → 分岐:1400 → 猪牧場:1445


【お奨めリンク: 岩谷観音から西ヶ嶽へ