篠山の歴史・見処を訪ねる-殿町


東仙寺跡



雨上がりの東仙寺谷方面を見る


石垣跡と銀杏の古木 ・ 伝波多野氏のものという五輪塔 ・ 山麓の削平地に残る井戸跡


苔の絨毯に古い墓石が ・ 東仙寺仁王門跡附近から八上城址を見る

波多野氏が拠った八上城址西麓の殿町一帯は、八上城下町時代の姿を彷彿させる階段状の地形に民家が 建っている。また、殿町は奥谷とも称され、波多野氏の日常の居館をはじめ家臣団の屋敷が立ち並び、 谷周辺部には東仙寺・法光寺・延正寺などの寺院が存在していたという。とくに、 奥谷の最南端の谷にあった東仙寺は波多野氏の菩提寺ともいわれ、明智軍との戦いにおいては僧侶たちも波多野氏に 味方して戦ったとの伝承が残されている。
東仙寺は多紀連山の大岳寺など篠山盆地に多い修験道の寺院であったと推測されているが、その実態は判明していない。 いまも一帯には寺院跡であったことを物語る削平地が散在し、「仁王門谷」「鐘突堂」「本堂谷」などの字名が伝わっている。 そして、伝仁王門跡近くには室町期の五輪塔が二基残っており、地元では波多野氏ゆかりのものといわれ、 いまも香華が手向けられている。他にも、一帯には石垣跡、古い墓石、井戸跡などが残存、波多野氏時代の名残が 感じられるところだ。
撮影:2008年1月4日・2009年1月18日/2月14日