篠山の歴史・見処を訪ねる-本郷


龍駒山松隣寺








戦国時代の天文十年(1541)四月、本郷一帯の領主であった細見将鑑が、洞光寺二世良源大和尚を開山に迎えて創建したという。元は天台宗の寺として寺坂橋付近に建てられたが、江戸時代はじめの寛永十年(1634)、篠山藩士細見勘兵衛により、現在位置に移され曹洞宗に改められた。寺名は草山城(本郷城)主細見将鑑信光の院号「松隣院殿」から付けられたといわれ、細見氏一族の菩提寺である。松隣寺の一角には細見家の墓石が並び立ち、本郷には細見を名乗る家が多い。
本堂は最近建て替えられたが、境内の古い薬師堂には、平安後期から鎌倉時代後半の作とされる本尊の釈迦如来、脇侍には普賢菩薩・文殊菩薩が安置されている。また、毎年4月下旬から5月上旬には、境内の石楠花が咲き誇り、多くの花見客の目を楽しませている。