低山歩こう記-住山


白髪岳に登る

・2009年09月16日



夏栗山から白髪岳・松尾山を見る(20090901)
 
 
篠山北方に屹立する多紀連山、それに相対するかのように篠山西方に聳えるのが白髪岳である。 標高721メートル、肩をいからしいたかのような姿はなかなか見事なものである。隣接する松尾山の 山上には、中世の多紀郡西方に勢力を張った酒井党の山城があり、さらに山岳修験の寺として栄えた 松尾山高仙寺の址が残っている。
白髪岳への登山道は南側の住山集落からのコースが一般的だが、 北方の文保寺からの松尾山を経て登るコース、東方の南八代からのコース、大沢ロマンの森を経て松尾山→白髪岳へと至るコースなどがある。 中世酒井党の歴史や中世山城に興味のある方は、南八代からのコースがお奨めである。



南矢代城址下の分岐:0941 → 堀切を越える → 鉄塔からの展望 → 急坂を登る → 尾根筋に到着:1030

JR南矢代駅の北西にある犬飼集落の西方にある墓地から分け入り、尾根に出ると登山道を確認できる。尾根を登っていくと最初の分岐を右方向へ、しばらく歩くと南矢代城の北堀切があらわれる。城址はその後方の山上にあり、堀切南側の急坂を直登すると主郭へと至る。白髪岳へは堀切を越え尾根筋を登っていくと、大沢ロマンの森コースと合流する。合流点から東方にしばらく歩くと、 大沢城址、さらに進むと禄庄城址へと続くが相当の道草を食らうことになるので要注意。 大沢ロマンの森→松尾山→白髪岳のコースは道も分かりやすく、案内板も整備されていて快適な山歩きが 楽しめる。



尾根を縦走 → 白髪岳への分岐 → 音羽山へ:1132 → 多紀連山を遠望 → 音羽山三等三角点

・歩こう - 参考マップ




ひたすら登る → 肩越えの辻で小休止:1212 → 白髪岳を目指す → 松尾山との分岐 → 白髪岳方面へ:1237

大沢ロマンの森→松尾山→白髪岳のコースは道も分かりやすく、案内板も整備されていて快適な山歩きが 楽しめる。火とぼし山の道標を白髪岳・松尾山方面へ進むと、三等三角点が設置された音羽山に至る。音羽山からは遠く多紀連山が一望できる絶好の休憩スポットだ。展望を堪能したのち、肩越えの辻を目指して山道をひたすら歩き続ける。路傍に石仏があらわれると、肩越えの辻まではあと少しである。肩越えの辻は、文保寺からのコース、松尾山からのコース、白髪岳へのコースがインターチェンジのように集まったところで、登山コースの要衝を占めるところだ。 ここから白髪岳へは、道標によれば約一時間の山歩きとなる。
肩越えの辻をあとに山道をしばらく歩くと松尾山の分岐で、左手に登っていくと松尾山山上に築かれた 高仙寺城址群を経て白髪岳へ至るコースになる。寄り道をすることなく山道を歩いていくと、三叉路があらわれる。迷うところだが、正解は左手に下りていく道である。 ここを過ぎると、白髪岳へは一本道となる。


白髪岳が見えた:1255 → 痩せ尾根の道 → ドンドン登る → 道は分かり易い → 頂上への岩場:1327

しばらく歩くと、木の間越しに目指す白髪岳が見えてくる。山道は変化に富み、合間に松尾山も顔を覗かせ、気持のいい山歩きコースである。やがて、道が急坂になってくると白髪岳も間もなくだが、 コース最大の難関ともいえる岩登りとなる。ロープを手繰りながらしばらく登ると、目指す白髪岳の山頂に到着だ。


頂上へ:1330 → 白髪岳頂上 → 頂上で昼食を摂る:1400 ・松尾山を見る ・西光寺山を遠望

山頂からは、いま登って来た松尾山のコースをはじめ、西光寺山、虚空蔵山、夏栗山と黒頭峰、 そして多紀連山が一望できる。その一大パノラマ風景は、 登山の疲れを吹き飛ばしてくれること請け合いの素晴らしさだ。
白髪岳は、中世の祈りを秘める寺院址、猛々しい武者の拠った山城址、加えて四季折々の自然…、 登るコースによってさまざまな山歩きを楽しめるところだ。今回は南矢代から登ったが、 住山側からのコース、あるいは古刹文保寺からのコースを登れば、かつて高仙寺を目指して登った修験者の 気分が味わえるかも知れない。さまざまな表情を持った白髪岳は、繰り返し登ってみたい山の一つである。
【登山メモ】 南矢代取り付き:0930 → 南矢代城址探索:30分 → 大沢城址探索:30分

【お奨めリンク: 白髪岳〜松尾山『近畿百名山』No.097