篠山の祭り


大国寺と丹波茶まつり


お茶といえば静岡県が連想されるが、兵庫県下で生産量四十パーセント(七十パーセントともいう)を誇る「丹波茶」は品質の良さで定評がある。丹波茶の歴史は古く、千二百年前の「日本史略記」という文献に丹波に茶樹を植えたという記録が残っている。
江戸時代には篠山藩の特産物として大阪へ出荷され、藩の収入の多くを占めた。江戸後期の記録によれば、大阪で流通する茶の半分に当たる量が丹波茶であったという。






2008年の案内チラシ



大国寺と参道脇の茶畑での茶摘み実演

茶まつりは、県内随一の茶どころ味間奥にある古刹大国寺を中心に、毎年六月のはじめ、一番茶摘みのときに開催される。2008年で二十八回を迎えた、比較的新しい祭りだ。琴や尺八の音が響き、茶葉を納めた茶壺を大国寺に運ぶ「茶壷道中」、大国寺本堂での献茶式やお茶供養、大茶盛、バザーなど盛りだくさんの催しで賑わう。絣の着物に赤い襷がけ、頭には姉かぶりをした娘さんたちの茶摘みの実演、大国寺では重要文化財に指定された秘仏が一般公開されるなど、茶祭りのときならではのイベントも見逃せない。

【撮影:2008年6月7日】