篠山の祭り


本郷春日神社の春日踊り


篠山市の最北に位置する本郷集落の秋祭りに奉納される民俗芸能で、県内では類例がないことで注目されている。市指定の無形民俗文化財の一つでもある。
春日神社への坂道を登って四基の山車が宮入りした後、踊り子たちが神社に参拝、餅撒きが賑やかに行われる。境内に熱気が渦巻くなか、床机が出され、踊り子の舞が始まる。舞は紺地の着物を肌脱ぎした赤い長襦袢姿の子供たちの舞と、紋付袴姿の青年たちの舞が奉納される。八人の子供たちが床机の上で、しゃがんだり、手を打ったりして踊る姿はまことに愛らしい。



・祭礼ムードに包まれた神社



・山車の宮入りで境内は一気に盛り上がる



・祭りのハイライト、春日踊りの奉納

春日おどりは京文化の影響を色濃く受け、「鯉の滝登り」「豊年おどり」「兵庫くどき」「宰相頼朝さん」「江戸より京都道中」などがあって、それぞれ「初庭おどり」「中庭おどり」「納めおどり」に分けられていたというが、現在は一種のみ奉納しているとのこと。室町時代の末期頃から続いている芸能だけに、現在、春日おどり保存会が組織され、祭礼前には厳しい練習を積み重ね、三味線の譜面づくりや太鼓の打ち方等、次世代への正確な伝承に努力されている。

【撮影:2008年10月19日】