篠山の歴史・見処を訪ねる-90


櫛岩窓神社








兵庫丹波における唯一の延喜式名神大社で、櫛岩窓の神号は日本中でこの一社だけである。本殿後方の宮山は神奈備であり、山上には磐座であろう巨岩が偉容を見せている。御祭神は皇城の四方八方の御門を守護する櫛岩窓命・豊岩窓命・大宮姫命である。
神話で知られるように、弟スサノオの乱暴に怒った天照大神は、天岩戸に隠れてしまった。闇となった世の中には様々な禍が発生、困った八百万の神々は岩戸の前に集ると一計を案じ、天照大神を岩戸から出す事に成功した。ふたたびこの世に出られたのちに、天照大神は新殿にお移りになった。その御門を守ったのが櫛岩窓、豊岩窓命であり、女官として仕えたのが大宮比売命であった。かくして、櫛岩窓、豊岩窓命は皇居の御門を守護し、災厄を追い払う神として宮中に祭られ、中世では大芋荘四十八ヶ村の総社として大宮と称された。
神社に伝来する櫛岩窓命・豊岩窓命・大宮姫命の坐像は、国の重要指定文化財で貴重なものである。

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