吉村(芳村/義村/好村)氏

 地名・姓氏とも「吉」は美称であり、芳・義・好なども同様のあて字。ただし、後世はそれぞれの出自が異なる家も出てきた。清和源氏の吉村氏は摂津国能勢郡の発祥、大和国葛城郡発祥の吉村氏は古代氏族曽根連の後裔。比較的、西日本に多い。

■各地の吉村氏の由来

■清和源氏
摂津国能勢郡の名族にして、吉村城(栗栖)は、天文年中、吉村豊後守源盛光の拠りし地にして、その後裔 今尚存す。又、浪花の画家に吉村周山充興あり、探仙と号す。

■結解氏族
近江蒲生郡の名族なり。蒲生氏郷に仕えし、結解駒之丞は、天正十二年、氏郷の伊勢転封に従い、名を吉村助右衛門と改めたりと。

■藤原姓
肥前大村藩にあり、吉村五右衛門見ゆ。又、長崎の儒者に吉村正隆あり、紫溟と号す。

■武蔵の吉村氏
横見郡の名族にして、小田原役帳に「吉村助五郎の知行十貫文、吉見郡久米田の内」と。


●左から/丸に剣花菱/石持地抜き剣花角/石持竪木瓜/三つ酢漿草/陰笹竜胆