石川氏

 石川の地名は、読んで字のとおり「石の川」の意。姓はこの地名を負う。
 古代の石川氏は大族蘇我氏の直系である。蘇我入鹿の従兄弟・倉山田石川麻呂が河内国石川郡を本拠として石川姓を称した。「大化の改新」以後は宗家に変わって蘇我氏一族の本流となった。のち主流が加賀に移って栄え、その勢力地域を石川郡とした。これは姓氏が地名となった例で、明治に「石川県」と県名にもなった。
 同じ河内国石川郡を本拠として起ったのが、清和源氏八幡太郎義家流の「河内源氏」だ。義家の曾孫・義兼が地名を冠して石川氏を名乗った。この一族が三河に移って徳川家に仕えた。家康の筆頭家老になった石川数正はその系統から出たという。「寛政系譜」には、この三河石川氏の支流二十六家が乗っており、戦国期に今川氏、北条氏に仕えた一門とともに、その後裔は中部・関東地方に広がっている。
 また清和源氏多田氏の嫡流・頼親の孫有光は、義家の代官として奥州に下り、磐城国白河郡石川を本拠として石川冠者と称した。この一族はのちに伊達家の家臣になったりして、奥州各地に残った。この分流で美濃へ移って地頭となったのが石河氏で、こちらは「イシコ」と読む。
 ほかに常陸・伊賀・伊予・肥前に平氏系の石川氏がある。
 代表家紋は加賀石川が石川竜胆、三河石川が笹竜胆、蛇の目、三枚笹、奥州石川が対い鶴。ほかに石川芦、剣花菱など。一般には笹竜胆と鶴が多い。



●左から/丸に竜胆・竹輪に三つ盛笹・対い鶴菱・対い白鶴・蛇の目