篠山の歴史・見処を訪ねる-高仙寺跡








高仙寺はかつて松尾山の中腹にあった寺院で、法道上人が開いたといい、文保寺、龍蔵寺と並ぶ三山の一つだったと伝えられる。かつて、二十坊以上を数えたが、明治の廃仏令で衰退し、大正十年(1921)、参詣に便利なように山麓の南矢代地区に移転された。住山地区から登っていくと、精緻に積まれた石垣があらわれ、山内には石仏が散在している。愛宕堂を通り過ぎたところにある卵塔群は、かつて高仙寺で修行した僧侶の墓所で、かつての繁栄を偲ばせる。卵塔群からさらに登っていくと、絶景が望める仙ノ岩、山中にひっそりと立つ千年杉を経て、戦国時代末期に酒井氏が築いた高仙寺城跡へといたる。