篠山の歴史・見処を訪ねる-大国寺






大化年間(645〜650)に、法道仙人(空鉢仙人とも呼ばれる)が国家安泰を祈願し自ら作った薬師如来を安置して開創したと伝えられている天台宗の古刹。その後、天暦の頃(947〜56)に兵火で焼失したが、正和年間(1312〜17)に花園天皇の帰依により再興され、安泰山大国寺の称号を賜った。室町時代初期に建てられた本堂は、唐様と和様の折衷様式で国指定重要文化財。その本堂に安置された薬師如来坐像、大日如来坐像、阿弥陀如来坐像、持国天立像、増長天立像は五体とも藤原時代の作で、こちらも国指定重要文化財。大国寺のまわりは丹波茶の産地で、六月初旬には丹波茶まつりが催される。さらに、春の桜・石楠花、夏には槿、秋の燃えるような紅葉に山茶花と、四季を通じて花が楽しめるお寺でもある。