酒井党の城跡を訪ねる

・2007年06月02/10日

篠山市のうち旧多紀郡丹南町南部には、酒井氏ゆかりの油井城、西油井城、南八代城が点在し、戦国末期に酒井党が一族の拠り所とした高仙寺が点在している。


栗栖野城址


丹波酒井党の一つ、栗栖野酒井氏の城址に登る。城址には地蔵堂が建ち、本丸とおぼしき所には山小屋が建っていた。城址というよりは砦跡という感じで、遺構もなんとか確認できるという状況であった。麓には篠山城を建てるときに切り出した石が公園風に整備され、また、栗栖野酒井氏の菩提寺である若林寺が佇んでいる。


油井城址




国道176号線に架かる武庫川(田松川)と天神川が合流する神橋の北東方面にある小山に、酒井佐渡守の拠った油井城がある。道なき道を這い登り城址にたどり着くと、本丸跡には油井城最後の城主酒井上野介秀正(氏盛)を祀る、延宝四年(1676)三月建立の供養碑が建てられている。城址は樹木に覆われているが、本丸から南方向に向って曲輪が階段状に連なり、大堀切を隔ててさらに曲輪が続くのが確認できる。そして、虎口のあたりには大きな石列が残っていた。文字通り、摂津三田方面から丹波に攻め込む兵に対する防御の任を担う城であったことが分かる。しかし、城址は荒れるにまかされており、城址ファンならずとももう少しの手入れを望むところであろう。【上段右端:油井城縄張図】